第8章 影は動く
「私は…私はそんなにも頼りないですか?」
違う…違うの。
「私…お姉様と本当の意味での姉妹になりたいと思ってます!だから、もっと信じて欲しい。なんでも話し合えるような、そんな関係になりたい…!」
静かに流れている涙とは逆に、真っ赤に熱を持った紅玉の頬を両手で優しく包む。
私は…だって本当は…。
〝紅い髪が頭をよぎる〟
あなたに嘘なんかつきたくない…。
「紅玉…ありがとう。あなたの気持ち、すごく嬉しい。」
でも素直に気持ちをぶつけれるあなたが羨ましいとも思ってる私がいるの。
「ちゃんと話したい。私も紅玉と本当の姉妹になりたいから。」
わかりやすくパァっと紅玉の表情が晴れる。
そのとき、部屋のドアをノックする音が聞こえた。