第7章 再会は“はじめまして”
「…これはシンドリアでは普通ですか?」
「はい!ここは一日中暑いですから、皆このくらいは当然です。」
「ほ、本当に…?」
「はいっ!」
着替えは数分で終えたのだが、カナはどうにも納得がいかなかった。目の前には満足そうに頬を赤くして微笑むヤムライハ。
なんだか……肌が見えすぎていないか?
カナは牢に入れられてからは、ずっと薄い生地の衣服とは呼びがたい布切れを着ていた。
その後紅炎に渡されたまま煌帝国の衣装を着ていたため、どうにも“普通”というものがわからない。
どうしても煌の衣服を基準としてしまうため、肌を見せることに抵抗があった。
薄い生地に、肩と胸の露出。
おまけにこんなに丈が短いだなんてっっ!
「む、無理です!私はもっと肌を隠せるようなものでないと。」
「ですが……お似合いですよ?」
シュンとした様子に言葉を詰まらせる。
「む、無理なものは無理ですッ!!」
そう言ってカナがベッドに隠れると、クスクスと笑い声が聞こえた。
「な、何を笑ってッ!!」
「すみません、姫様があんまりにも嫌がるものですから。実は王には服を2種類渡されていますので、こちらに着替えましょうか。」
そう言って赤面したカナに差し出されたのは動きやすくかつ涼しげなものだった。
「これなら……着ます。」