第1章 短編
睨むと直ぐに大人しくなる。
へたれだなぁ。
「私、暦君が好きなの。付き合う前も、付き合っている今も、ずっとずっと好きなの。嫌いに―――――なりたくない。だから、嫌いにならない努力をずっとしているのよ。暦君が好きだから。愛して―――――いるから。だから暦君、お願いです。私を一番にして。浮気をしても私が一番だ、って言える様に、私を―――――愛して」
暦君は目を限界まで見開いて驚いている。
しかし、直ぐに真剣な表情になる。
「自惚れんな」
冷たい言葉に俯く。
やっぱり、私は一番になれないのだろうか。
唇を噛み締めていると温かい何かに包まれた。
暦君に、抱きしめられてる。
「僕は浮気なんてしないし、お前―――――サヨに心底惚れ込んでるよ。んな事言われなくたって僕の一番は既にサヨだよ。」
「・・・嬉しい」
抱き合いながら目を閉じる。
END