第1章 短編
私は今、凄く、もの凄く嫌な顔をしているだろう。
というもの、家のチャイムが鳴り、配達だと思い扉を開けると其処には青い髪の青年、ランピーが居たのだ。
「あの、会って早々に虫を見るような目で俺を見ないで欲しいんだけど・・・。」
「はんっ!何を言うの。貴方は虫以下、いえ、ミジンコ以下よ。まだ虫の方が価値があるわ。」
「そこまで!?」
鼻でランピーを笑いながら、玄関に置いてあるペーパーナイフを手に取る。
「今日は君とお茶がしたいと思ってさ!ケーキが美味しい所見つけたんだ。一緒に行かない?」
へらへらと笑いながら、そんな事を言うランピーにナイフを向ける。
「それは、デートのお誘いかしら?」
「え?いや、その・・・、う、うん、そうなんだ。」
さっきの威勢は何処へ行ったのやら。
顔を真っ赤にして、俯いているランピー。
「あっそ、まぁいいわ。それより、それって貴方の奢りよね?」
「も、勿論!当たり前じゃないか!」
「いいわ。行ってあげる。有り難く思いなさい。」
ペーパーナイフを片付けながら着替える為に部屋に戻る。
その時ランピーも一緒に部屋に入る。
あんなのが家の前にいたら、近所に人に噂されちゃうわ。
鏡の前で変じゃないかを確認してから部屋を出る。
するとリビングでランピーが落ち着き無く座っていた。
・・・床に。
「何、してるの。」
「何って、待ってたんだけど・・・?」
「違う。何で床に座ってるの。」
「えっ?いや、変に緊張しちゃって。」
思わず溜息が出る。
「ふぅ、もういい。行くわよ。」
ランピーを置き去りにして外に出る。
慌てた様なランピーの声なんか知らない。
すぐに追いついたランピーは私の横に並ぶ。
「チッ、横に並ばないでくれる?私のイメージが下がるわ。」
「舌打ち!?ていうか、俺のイメージってどんだけ低いんだ・・・。」
「そうね・・・。困っている人を助ける英雄が、実はロリコンだった。ぐらいかしら?」
「どんだけ!!?」
大袈裟に反応するランピーを横目にお店を探す。