第1章 短編
すると、ドォォオオン!!と屋根が壊された音がした。
と同時に、グシャと人の潰れる音・・・。
きっと逃げ遅れたカドルスだろう。
振り向くと、青い髪の毛に赤いマスクを着けた青年が赤い血溜りの上に立っていた。
「は、ははは・・・。」
もう笑うしかない。
最悪だ。最悪の状況だよ・・・。
「三人とも助けに来たぞ!!」
なんて言ってるけど生きているのは私だけだ。
「なるほど、そういう事か・・・。」
オールバックは何故か一人で納得していた。
今納得すんなっ!!
「あれ、サヨ後の二人は?」
そんな事を言うディドに指で下を指す。
下を見たディドは、困ったように笑った。
「あー、またやっちゃったか。困ったなー。」
何が困っただ。
こっちは、困るどころか死にそうだ。
「ま、いいか。サヨだけでも助けよう。」
と言って、手を差し伸べてくる。
私は、ボロボロと涙を流していた。
必死に首を振って、拒否をしているのに、それが安心しただけと信じて疑わないディド。
「怖かっただろ?もう大丈夫。さぁ、おいで。」
「た、助けて・・・。」
オールバック達に助けを求めるが、奴等は静かにコッチを見ている。
その時、一歩踏み出したディドが転ぶのが分かった。
「あ・・・。」
という声とともに転んだ衝撃でディドの瞳からビームが出る。
それは、目の前の私に当たる。
「ひぎぃいっ!!い、あああああああああ!!!」
焼けるような痛みと焦げ臭い臭い、お腹が赤に染まる。
だんだんと視界が暗くなっていく。
意識がなくなる瞬間見えたのは、驚いて固まっているオールバック達と困った顔のディドだった。
また、殺されちゃった・・・。
END