第6章 「生まれ変わった後に」
わたしの無くなった5年間 4
暫くして…兄さん達が戻ってきた事に気が付くと
「氷空、ごめんね」
お母さんが急に泣きながら抱きしめてくる
「どうしたの?急に…」
お父さんの方を見ると
「退院はいつごろになりそう?」
「もう、今日帰れるけど…体調の方は大丈夫なのか?」
父さんも何言ってるんだか
「大丈夫よ、それに私が居ないと朝とか大変でしょ?」
兄さん達は顔を見合わせると笑いながら
「そうですね」
「氷空が居ないと大変」
そう言いながらカナワタウンにある実家に帰って行った
本人は5年間の記憶がない事を知らないまま
十数年後の出来事まで続いていったのでした…