第6章 「生まれ変わった後に」
わたしの無くなった5年間 1
「お誕生日おめでとう氷空」
5歳の誕生日…私は、家族に呼び出されて
ライモンシティのギアステーションに来ていた
バチュルとヒトモシが正式に私の手持ちに…いえ、友達になった日でもあります。
私も少しづつポケモンバトルの基礎を二人の兄さんから学ぶことになりました
その日から数日後
「お母様、氷空の様子は」
「ノボリ…少し、熱があるわね」
お母さんは私の使っていた体温計を見ると
「今日は安静にしていないとね…ノボリ、クダリも連れて来て二人で看病してくれる?」
「はい」
ノボリ兄さんは部屋を出ていった
私は少し体を起こすとバチュルとヒトモシの方を見る
2匹は心配そうに私の方を見ていた
「私、ギアステーションのハロウィンに参加できないの?」
「う~ん、熱があるからちょっと無理かもね」
お母さんは私の頭を撫でると
「大丈夫よ、氷空はいつもいい子にしているんだから、熱が下がって動ける様になったらノボリ達にお願いして連れて来てもらいなさい」
その後、お父さんからの連絡でお母さんはギアステーションに戻って行った
シングルトレインに挑戦者が来たらしい
私は暫くの間、バチュルやヒトモシと一緒に寝ていた
…ハズなんだけど
「こらっクダリ!つまみ食いしないでください」
「氷空が安心して食べれるか毒見してるだけだから気にしないで」
「毒…!?そんな物入れませんよ!」
キッチンの方から騒がしい音や声が聞こえてくる
ノボリ兄さんとクダリ兄さんがキッチンを使うと後片付けが大変なんだよね
うう…頭が痛くなってきた
熱と頭痛でフラフラな体を何とか動かし部屋に出て
目の前に見えた光景は
見事に汚れたキッチンと皿の上に乗っかった黒い物体と鍋の中にある黒い何かだった
兄さん達は私の方を見ると慌ててこっちの方に来る
「氷空!安静にしていないとだめですよ」
「そうだよ、氷空」
誰のせいだ誰のと思いつつ戻ると
無理やり寝かされる
心なしか熱が上がったように感じる
私はすうっと眠りについてしまった