第3章 「不思議な迷宮に落ちていく」
2人の夢魔1
「なぁ…グレイ…」
「どうしました?ナイトメア様…」
「彼女は大丈夫だろうか…」
「…」
ここはクローバーの塔の執務室…
いつもならスノウとグレイとナイトメアの3人で仕事をしている部屋だ…
だが、今の時間帯はスノウは遊びに行っていていない…
多分帽子屋屋敷か魔法薬屋のどちらかだとは思うが…
半分役持ちだから途中で刺客に襲われることも少なくない…
此方は心配しているというのに、彼女は…最近は特に怪我をして帰って来る…
魔法で上手く隠しているつもりだろうが、私にはお見通しだ…
この間は残像と彼女が楽しそうに話していて処刑人が珍しく困っていたらしい…
ルールにはないが、一歩間違えれば処刑されててもおかしくない…
それに、アリスがピンチになると自分を犠牲にしてまで助ける部分もあるから油断ならない…
もういっその事、彼女を夢の中に閉じ込めて…いやいやそんな事をしたら魔女が居なくなる…
それ以前に狭間の空間に抜け道を作りかねない…
スノウは私の事をどう思っているのだろうか…?
いざその事で心の中を読もうと思うと…心が読めない…
彼女が心を読まれない様にしているからか…
グレイが教えたらしい…
私は君の事が…