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運命を紡ぐ人たちとその日常

第3章 「不思議な迷宮に落ちていく」


残像と私…

とある時間帯…
スノウはユリウスとエースが仕事に行っている間…
留守番をする事になった…
今のうちに部屋の片づけをしないと…
ユリウスの座っている所ってあまり掃除できないからほこりが溜まってるのよね…
鼻歌歌いながら掃除していると…
真っ黒い…煙の様な雲の様なもの…?が部屋の隅にあった…
「なんだろう…これ…」
箒で突いても掃いても動かない…
見方を変えれば…携帯獣のガス状の物に似てなくも…
いやいや…
じっくり観察してみるが…手がかりが無い…
あるとすれば…
懐かしいと思う気持ちがあるだけだ…
なんだろう…これは…
よく見ると可愛いな…
暫くの間突っついていると…
「ただいま…」
ユリウスが帰って来た…
ちょ‥なにコイツみたいな目で見ないでよ…
「なに‥やってるんだ?箒で…」
「えっ…何か…このガスみたいなものが気になって…」
「ガスみたいなもの?」
ユリウスはこっちに近づいてくる…
「これは…」
「可愛いでしょう?」
ニッコリと笑うと…
彼は唖然としている…
少し経って…
「正気か…?こいつは残像だぞ?」
残像…?これって残像っていうんだ~
「可愛いね~君…」
「いつまでも触っているんじゃない!!」
ユリウスはスノウを残像から遠ざける…
「残像はな…」
へぇ~ユリウスの仕事を手伝ってるんだ‥
「残像って偉いね~」
残像と呼ばれる…ガスみたいなものは…
照れているように見えた…
「照れてるなんて…可愛い…」
「残像の…感情が…分かるのか?」
「何となく?」
そう答えると…ユリウスは気難しい顔をした…
彼には…スノウと重なって…
魔女…ユキの姿が見えた…
以前、スノウの正体について本人からは聞いてるが…
未だに信じられない…
だが、残像の感情が分かるものはそういない…
確か…ユキも残像の感情を読み解くことが出来たな…
ユリウスは…スノウの頭の上に手をのせる…

「この残像も…仕事があるからこれ以上は触るな…」
「仕事か…仕事なら‥」
箒で突っついていた手をひく…
ユリウスはその残像を連れて行った…
また会えると良いな…
そう思いつつ、掃除を再開した…
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