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運命を紡ぐ人たちとその日常

第2章 「時の流れるままに」


魔女の時計3

その後辺りが真っ暗になった…
「何!!」
「大丈夫だから…」


時計が浮かんでいる…
遠くから二つの星が飛んできた…
一瞬光って…片方の星と時計が一緒になって他の世界に飛んで行った…
ユキの時計はまだ動いていた…

「それで、もう一人の私が他の世界で転生して来たというお話です…何か、重い話になっちゃいましたね…」
「あの子達は…」
「ああ…もう一人の私とシルバーが育ててるわね…」
「貴方は…心配じゃないの?」
「あの子達は大丈夫…それより…」
すっと杖を取り出すとアリスの方に向けた…
「…」
冷や汗が流れる…
「こんな所まで迷い込んで…」
「ごめん…」
「迷う事が悪いとは言いませんけれど…私の領域にはあまり近づかない方がいい…」
「…」
ユキは杖をおろして悲しそうな笑みでアリスを見る…
「早く、ダイヤの国に馴染んで…前の国の事は忘れて今の国だけを見つめて…」
「待って!!」
言葉虚しく…
そう言うとユキは消えて行った…
「忘れられるわけないじゃない…」
アリスは悲しそうな顔をした…



「ユキ…」
「何ですか?」
「…なんでもない」
いつもの通り本を読みに駅の領土の中にあるユキの魔法薬屋に遊びに来ている…
顔無しの店員さんはお休みのようだ…
「アリス、どうしたの?…思いつめた顔をしてるよ?」
「ちょっと最近疲れちゃってて…」
「…そっか」
ユキは少し考えるようにすると…
「ちょっと良いもの買ってくるから…アリスさん!!店番お願いしても良いですか?」
「ええ…良いわよ!!」
ユキは買い物に行ってしまった…
「貴方の事…忘れられるわけないじゃない…」
お店の中を一周見渡すと…
本棚から本を取りだし…読みだした…
ブラッドの部屋やクローバーの塔の書庫とかと違ってユキの本棚には魔法関連の本や小説など様々な本が並んでいる…
どちらかというとユリウスの部屋の本棚に似ている…
知っている文字の本や見た事のない文字の本など色々とあって楽しい…
読めない本とかはユキに読み方を教えて貰ったりしていた…
「ユキって他の国の言葉も呼んだり喋れたりするんだったわね」
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