第2章 「時の流れるままに」
ルールと魔女とドードー鳥
~女の子は参加しちゃいけないの?~の続きで、ユキはジェリコに会いに美術館に来ています
「ジェリコ~遊びに来たよ!!」
「おう!ユキか…元気にしてたか?」
「うん!!それで…ジェリコに相談したい事があるんですけれど…」
「どうした?」
「もうすぐコーカスゲームが開催されますよね?女の子は参加禁止なのは少し酷いと思いまして…」
「すまねえな…それがルールなんだ…」
「私だって役持ちなのに…」
あからさまにムスッとした表情を見せる…
「ダイヤの女王も我慢しているんだ…ユキも守ってくれないか?」
「でも、私は魔女よ?コーカスゲームにはお誂え向きだと思うんですけれど…」
「そうだな…」
ジェリコはうーんとうなっている…
「1回目と2回目はともかく…3回戦は少し羽目を外しても大丈夫だろう…」
「って事は…やった!!」
私は飛び跳ねて喜んだ…
「嬉しそうだな…本当にこの世界の人間か疑いたくなるな…」
「皮肉ですか…?そりゃあ喜びますよ…毎回出場できずに観戦だけなんて退屈です…」
「そりゃあ良かったな…」
「でも…ルール…」
「それなら心配いらねえよ…正式な催し物の試合ではなく終わった後のエキシビジョンとして各領土から一名づつ参加してもらう…そうすれば駅の得点にはならない」
「あっそれだったら…女王陛下も一緒に参加させてください!!」
「…そうだな」
「まあ、あの『黒』愛好家のシドニーが反対するのかもしれませんけれど…」
私はシドニーの事が苦手だ…
それと同じくシドニーもペーター程ではないが…ユキの事が苦手らしい…
「はは…ユキは本当にシドニーの事が苦手みたいだな…」
「私は黒兎とは違って白兎ですからね…」
「目は黒兎と同じなのにな」
「そうですね…それでは失礼します…」
「じゃあ、1回目のコーカスゲームの時にでも各役持ちには話すことにする…じゃあな」
ジェリコは美術館の中に入っていった…
「美術館の館長の時のジェリコって優しいな…」
ユキはつぶやくと駅に帰って行った…