第3章 水も滴るイイ男
というか、
そんな事を言ってる場合じゃない。
一体何がどうなって「こわしみずの泉」から「何処ぞの銭湯」に来てしまったのか、それが問題だ。
決して乳首ではなく。
ひとり考えに没頭していた私に痺れを切らした男性は言う。
「オイ……質問に答えやがれ」
言うというよりも、威嚇に近い。
私を睨み付ける双眼はまるで獰猛な猛禽類だ。
『……っ』
私は蛇に睨まれた蛙よろしく硬直して何も話すことが出来なかった。
素っ裸のイケメンと、
衣服を着たままずぶ濡れの私。
重苦しい沈黙が続く。
相当気が短いのか、未だ下半身を押さえっ放しのイケメンは三十秒もしない内に再び口を開いた。