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[銀魂]恋は幻[R15]

第2章 町に風が吹く


しかし、外出して僅か30分で私は自身の判断を後悔することになった。

『最悪……!』

季節外れの土砂降りに見舞われたのだ。
さっきまで晴れ間すら見えていたと云うのに。

以前住んでいた所とは違い、イイ具合に田舎な此処にはすぐに傘を買えそうなコンビニもない。

困った私は目に入った祠に身を寄せ、通り雨が過ぎるのを待つことにした。


ザー……
ザー……


人一人が充分に雨宿り出来る立派な祠。
周囲の木々にぶつかる雨音がその激しさを伺わせる。

『(……早く止まないかな)』

ちっとも弱ることのない雨足にげっそりと肩を落とした、その時だった。

視界の端に
見覚えのある文字が映ったのだ。


こ わ し み ず


だいぶ腐食してはいるが、祠の傍に建てられた石碑には確かにそう彫り込まれている。
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