第4章 揺らめく行灯
『ま……まだ少し、痛みます』
「そうか。悪い事したな」
『いえ、あの……』
「お前の目的は何だ」
『え?』
「答えろ。何しに此処へ来た」
まるで尋問だ。
畳み掛けるような質問の数に思考が追いつかない。
『何、しに……って言われても』
本当の事を言ったところで、
この人は信じてくれるのだろうか。
しかし適当な嘘を見繕おうにも良い言い訳なんて思い付く筈もない。
だって、私自身が一番この状況を理解出来てないんだから。
『……私にも分からないんです』
「は……?」
『気付いたら此処に居た、っていうか……何て言うか』
私がここに来た経緯を話す間、黒髪のイケメンは時折首を傾げつつも口を挟むことはせず最後まで話を聞いてくれた。
案外、イイ人なのかもしれない。
瞳孔は開いてるし煙草臭いけど。