第4章 揺らめく行灯
「こわしみず……か」
ことの次第を聴き終わった後、彼は短くなった煙草を揉み消すと腕組みをする。
「その話、信じてやるよ」
『えっ……本当ですか!?』
「ああ、要するにお前はワープか何かをしちまったんだろ。天人の悪戯か……もしくは奴らが不法投棄した機械(カラクリ)の仕業かもしれねェな」
なるほど。
分からん。
この人が見かけに寄らずイイ人で、私の突拍子もない話を信じてくれたのは良く分かったけど。
『あ……あまん、と?』
「何だ、お前天人も知らねェ田舎物か」
『いえ……あの、一応東京出身……ですけど』
私がそこまで話した時だった。
真新しい煙草に火を点けようとしていた彼の手が止まったのだ。
「トーキョー?何処だそりゃ」
『え……どこって、東京は東京です』
「俺も地方の出だが聞いた事ねェな」