第2章 世界会議
…次に真鈴が目覚めた時、青雉は部屋にいなかった。
「…青、雉さん…?」
(いない…)
「…?」
机の上に何かが置いてある。
真鈴はベッドから這い出て、机に向かった。
机の上のものを持ち上げる。
「…服?」
ヒラリと一つの紙が落ちた。
拾い上げて中身を見た。
「“青雉より”…?」
【リンリンちゃんへ。
ちょっと用事が出来たから、ココ留守にするねェ〜。
多分次戻ってきたら、あんたについての“世界会議”が行われる。
“世界会議”は、世界中の海兵が集まる会議だ。
今回でー…何回目だったけな。
もういーや思い出すのめんどくせェ。
あァそうそう、会議では、あんたは黙ってるだけでいいと思う。
詳しくは後で。
あと、ココ寒いと思うからこの上着着てていいよー。
俺のだけど。
それと、俺のことは呼び捨てで構わねェよ?
じゃあね、可愛いリンリンちゃん♡
青雉】
「最後の余計…。…って、会議? 私についての?」
“清者”についての会議だろう。
世界中の海兵が集う、ということは、かなりの規模のものだろうか。
(…頭痛くなってきた…もう言われるがままにしようかな、私じゃどうにも出来そうにない…)
「帰り方も分からないしね…。」
真鈴は服を広げた。
「…でっか。」
背中に“正義”とでっかく書かれた白い羽織りだ。
青雉のものなので、かなり大きい。
…ちょうど寒かったので、試しに羽織ってみた。
羽織りの半分以上が地面についている。
(暖かい……けど、青雉さんの匂いがする…)
トクントクンと小さく心臓の鼓動が高鳴った。
「…意外といい匂い。なんでだろ…なんか、安心する」
キュ、と羽織りを握りしめた。
「意外と何だって?」
「きゃあ⁉︎」
「クスッ…きゃあ、だって、リンリンちゃん可愛いねェ」
「あっ…青雉さん⁉︎」
牢屋越しに青雉が立っていた。
カギを開けて中に入る。
「俺のことは呼び捨てで構わねェよ?」
「え…言いづらい、です」
「いーから。呼んで?」
「………あ、おきじ」
「うん」
「…青雉、羽織りありがとうございました」
「敬語もなしね。」
「うぐ…分かった」