第2章 世界会議
「それでよし。…て、上着、ぶかぶかだな」
「…うん。すごく大きい」
真鈴は両腕をめいいっぱい横に伸ばしたが、袖の半分以上腕が通っていない。
だらーんと袖がぶら下がっている。
(……可愛い)
まるで、兄姉の服を着ている妹弟を見ているかのようだ。
「…でも、暖かい」
「そうかい。…でも、もう返して欲しいんだけど」
代わりにコレ着な、と白いポンチョを渡された。
「ありがとう」
青雉の羽織りを返す。
「さて…そろそろ行くぜ。」
「‼︎」
ピクンと真鈴の身体が反応した。
「…私、どうしとけばいい、の」
「うーん…まぁ反抗せずに、じーっとしとけりゃいい。」
「分かった…」
(どうなるんだろ…なんか怖い)
うつむく真鈴。
そんな真鈴に青雉は頭をポン、とたたいた。
「大丈夫だ。心配しねェでよ。」
「…うん」
撫で撫で、と頭を撫でられる。
先の見えない恐怖心が先程よりもなくなった。
「会議終わったら、部屋も変わるし」
「変わるの⁉︎」
「あァ、牢屋じゃなくてな。」
「そうなの…」
(…牢屋じゃなくなるのは嬉しいや)
「監視役も…変わると思うし」
青雉は残念そうに言った。
「青雉じゃなくなるの⁉︎」
「あァ…。お前の所属する場所によってだな。本部なら俺のままだがな」
「……私、青雉のままがいい」
真鈴は小さい声でポツリと言った。
が、青雉はそれを聞き逃さなかった。
「…え、今なんて」
ドクンと心臓が高鳴る。
「…青雉のままがいい、と思って…なんか、話しやすいから」
「そう、か」
青雉とまだ一緒にいたい、と言われたワケではないが、そうゆう風につい受け止めてしまう。
(……心臓が…ドキドキする…って、女子か俺は)
…青雉は心の中で1人ツッコミをしていた。←
「…まぁ多分、当分ココ(本部)にいるだろうがな」
「そうだったらいいな…」
「…俺も」
(こいつの隣にいてェ…)
「え?」
「あ…」
つい心の声が漏れてしまった。