第3章 新しい部屋
「私は…江ノ坂真鈴です。ご存知の通り、“清者”…です」
コビー「真鈴さんですね‼︎ よろしくお願いします」
コビーが手を差し出した。
ヘルメッポ「あ、おい‼︎ 俺も握手したい‼︎」←
コビー「うるさいです‼︎ あと、近い‼︎」
ヘルメッポがコビーの横にくっつき、手を差し出した。
「えっと…よろしくお願いします」
片手ずつ手にとり、軽く握手を交わす。
ヘルメッポ「俺…もう一生手ェ洗わない」←
コビー「汚いです、洗って下さい」
ヘルメッポ「汚いって…」
「…ぶふっ」
真鈴が軽く吹き出した。
「面白いですよ…二人共…ククッ」
ヘルメッポ「だろ〜? なんせ、コビメッポだからな」
「コビメッポ…ぷっ」
コビー「そこ笑うところですか⁉︎ …ってそれより、敬語じゃなくていいですよ?」
「え…でも」
コビー「名前も“コビー”でいいですから‼︎ あ、僕は敬語抜けないんで」
ヘルメッポ「何抜けがけしてんだ、コビー‼︎ 真鈴ちゃん、俺のことも呼び捨てで呼んで‼︎」
「あ、はい。分かりました」
軽く(?)挨拶が終わったところで、二人と別れた。
センゴクの部屋へ向かう。
「面白いね、あの二人」
「まぁな〜……まぁ、実力は確かだ」
「ふーん…」
(強いんだ…二人共。…コビーさ、コビーは強そうに見えないんだけど…)
再び二人の顔を思い浮かべる。
先ほどのやりとりを思い出し、思わずふきだす。
「ふふっ…あー面白い……また会える?」
「おう。ここにいる限りな」
「…。」
“ここにいる限り”
真鈴が逃げなければな、と遠回しに言っていることがよく分かった。
…真鈴がそんなことを考えているうちに、2人はセンゴクのいる部屋の前に立っていた。
青雉が扉を叩く。
「センゴクさーん、入りますよ〜?」
「言い方軽い…」
「いつもこんなのだから大丈夫」
「…。」
(…大丈夫か、この人)
真鈴がそう思った直後、センゴクの声が聞こえてきた。
「いいぞ、入りなさい」
「失礼します」
「おぉ青雉…と“清者”、か? どうした」
「えっとですね……彼女、何も持っていないので…買い物に行こうかと。」
「…“彼女”が外出する、ということか?」
「そうです。」
センゴクは難しそうな表情を浮かべた。