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[ONE PIECE] 癒し恋 〜過去ver.〜

第3章 新しい部屋



まだ、自分…“清者”について知らないことが多すぎる。
手をかざせば治癒の効果がありー…“清者”の“血”を飲めば悪魔の実の能力者の能力が高まりー…

(……元の世界に帰れないのだったら、ココの世界のこと、少しは勉強しておいた方がよさそうだな…)

悪魔の実の能力者、というのも全くと言っていいほどに分からない。

「青雉…」
「ん?」
「“悪魔の実の能力者”って……どんなのがいるの?」
「‼︎ …あァ、そうだねェ…ココの世界のこと、教えてねェもんなァ」

青雉は立ち上がり、近くの本棚から一冊の本を取り出した。
真鈴にその本を渡す。

「“悪魔の実大全”…?」
「ほとんどの実の能力が載っている。…実の詳しいことも書いてあるから、それ読めばだいたい分かるだろうよ」
「うん…」

真鈴はページをめくり始めた。
ちゃっかり青雉も真鈴の隣に座り、一緒に読む。
分からないことがあれば青雉に聞けた。

……全て読み終えた。
本を閉じる。

「…なるほど」
「分かったかい?」
「だいたいは。…そういえば、青雉って…」

ハッと、大事なことを思い出したように青雉の方を向く。

「そうだぜ? “悪魔の実”の能力者だ。ちなみに…“ヒエヒエの実”の能力者だ」
「“ヒエヒエの実”…だから氷を操れるんだ」
「そうだ。…あらよっ」

手の平サイズの氷を創り出した。

「こーゆーのも出来るぜ?」
「わ」

手の上に氷の彫刻が現れた。

「……鶴?」
「雉だよ…」
「なんかすみません」

次々と彫刻を創り出していく。

「青雉…」
「なんだい」
「…創りすぎ」
「あららァ…」

いつの間にかベッドの上には、大量の氷の彫刻があった。

「ベッド濡れちゃう」

真鈴はそう言うと、その彫刻全部を抱え、一個ずつそーっとテーブルの上に置いていった。

「…なんかすごい」

結果的に、テーブルの上に芸術が出来上がったのであった。

「…あァそうそう。リンリンちゃん、あんたの服…無いから買いに行くぜ?」
「今から⁉︎」
「あァ。早い方がいいだろ。その…女子の色々必要なモノってのもあるだろ?」
「‼︎ …うん」

真鈴は青雉の言うモノを察した。

「ついでにココの案内でもしてやるよ…めんどくせェけど」
「めんどくさいならいいよ、別に…」

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