第3章 新しい部屋
「…はい‼︎」
「じゃあ行こう。」
青雉は立ち上がり、スモーカー同様、出口に向かっていく。
真鈴はその後をついていった。
……しばらく廊下を歩き、ある部屋の前で歩みを止めた。
「ここ?」
「あァそうだ。これからここがー…」
青雉が扉を開けた。
「…俺たちの部屋だ‼︎」
「わぁ……って、俺たち?」
真鈴は部屋の広さと清潔さに感動しつつも、疑問に思ったことを聞いてみた。
「言ってなかったか? …俺と同じ部屋なんだよ、お前。」
「…え、」
(ちょっ…待て‼︎ 私は女で、青雉は男ー…)
「…なんか、ガープさんが、『青春しろ‼︎』…っつって、ほぼ無理矢理同じ部屋に…まぁ、ずっと監視しとけっつーことだけどな」
ボリボリと頭を掻く。
「監視…そうよね。まぁ…青雉なら、一緒でもいいや」
(だって、赤犬は見た目からして((性格はもちろんだけど))イヤ、黄猿もなんかイヤ…だからといって、他の知らない海兵と一緒も絶対ヤダ)
「⁉︎」
青雉の顔を見てそう言うと、青雉の頰が淡く赤色に染まった。
「あっ、いや…気にするな」
(……一緒にいて、理性もつかな、こりゃあ…)
これから1ヶ月、無事に過ごせるかどうか、少し心配になった青雉であった…。
青雉がそんなこんな考えている内に、真鈴は部屋を観察し始めた。
「うわ…最初の部屋とは大違い…めっちゃ綺麗」
ボフーンとベッドにダイブした。
ちなみにベッドはちゃんと2つあった。
「…フカフカだぁ」
顔をこすりつける。
「気に入ってなによりだ」
「はい‼︎ …ありがとうございます」
「敬語はナシっつーたでしょう」
「あ…ごめん」
……しばらくの間、ベッドの上で転がっていた真鈴だったがー…青雉が一瞬目を離した隙にベッドから落ちた。
「あぐっ‼︎」
「⁉︎」
すぐに青雉は真鈴の方を振り返った。
のそりとベッドの端から手が這い出てきた。
…軽くホラーだ。
「…おいおい、怖ェな…それより、大丈夫かよぉ…」
「…痛いけど大丈夫です。調子に乗りすぎました……」
苦笑いしながら真鈴は立ち上がった。
「…まぁ気をつけな。“血”が出たら、大事になるからねェ」
「‼︎ …はい」
(私…“清者”の“血”……能力を高める以外に何かあるのかな…)