第1章 繋がる糸
ガクンと体が下がる感覚に襲われ、思わず目をつぶってしまう。
倒れるーーーーー!?
しかし、来るはずの衝撃はなく、代わりにあったのは変わらない海燕の暖かさだった。
海燕「……なぁ………嫌か?」
私の耳元に海燕は真剣な声色で囁く。
耳にかかる海燕の吐息に体がゾワゾワと粟立つのを感じた。
「………嫌じゃ……ないけど………」
海燕「………けど?」
顎を捕まれ上を向かされる。
そこにあったのは、いつもの太陽みたいな笑顔の彼ではなく、一人の男としての海燕だった。
「………海、燕………?」
ドクン、ドクン、と
心臓の鼓動が速まるのを感じる。
海燕「…目…つぶって?」
言われた通り目をつぶると、唇にそっと熱が触れた。
そっと目を開けると熱っぽい目をした海燕がいた。
海燕「…しちまったな……キス。」
その言葉に私は顔に熱が集まるのを感じた。
「…………うん。」
海燕はしばらく私を抱き締めたままでいたが、パッと離れるといつもの笑顔の彼に戻っていた。
海燕「…うしっ!修行始めっか!」
「うん!今日も頑張るぞ~!」
二人で立ち上がり、笑いあった。
海燕(あんまり可愛いから、勢いで青蘭の…ファーストキス、奪っちまった///)
「ーーー海燕っ始めるよ~!」
海燕のほうを振り返り、声をかけると海燕はニカっと満面の笑みを見せた。
海燕「……そうだな!よし、1番から詠唱するぞー!」
___この後、私たちは陽が暮れるまで修行を続けた。