第1章 繋がる糸
私と海燕のお決まりの修行場の森へと急いで向かう。
私と海燕は幼なじみみたいなもので、小さい頃から遊び仲間兼、修行仲間だ。
海燕、待ってるだろうなぁ
つい楽しくて長居しちゃったからな…
ちゃんと謝んなきゃっ!
…でも、白哉と修行するの楽しみだな♪
仲良くなれるかしら?
楽しい気持ちのまま瞬歩で向かうと、森の奥に見慣れた姿があった。
「ーー海燕っ!」
名前を呼ぶと彼は振り向くが、その顔は怒りに満ちているようであった。
えっ!海燕、すごい怒ってる?!
「待たせちゃったよね?ごめんなさいっ!」
私が慌てて謝ると海燕はくるりと背をむけてしまった。
……が、しかしよく見ると彼の背中が揺れているように見えたので私は回り込んでみる。
海燕「くっくっくっ……くはははっ!!」
大声で笑い出す海燕に驚いていると、突然肩を抱かれた。
「かっ海燕っーー!?」
海燕「ビビった?!もー俺が怒るわきゃないだろーが!」
「う~~、もうっいじわるぅ!…本当に怒らせちゃったかと思ったし……」
涙目になりいじける私を海燕は優しく抱き締め、頭を撫でた。
海燕「悪かったって……ちっとやり過ぎたか?」
その声はいつも優しく、私の心を暖かくさせる。
「ん……大丈夫。…でも、本当に待たせて、ごめんね?」
私は体を離し海燕の顔を覗き込むと、海燕はニコッと笑った。
海燕「たいして待ってねーから気にすんなっ!……よしっ修行始めんぞ!」
「うんっ!今日は、鬼道の練習だったよね?」
海燕「そうそう。俺、あんまり縛道ってやったことないからやってみたいんだけど……どう?」
「えーっいいけど……私、60番台まで詠唱破棄でいけちゃうくらいだけど大丈夫~?」
私がニヤリと笑うと海燕はムッとした表情を見せる。
海燕「はぁ~っ!?いつ練習したんだよっ?!裏切り者め~~っ!」
ガバッと海燕に抱きつかれ、身動きがとれなくなってしまう。
私は逃れようともがくが、一向に離してくれる気配がない。
「夜一さんに教えてもらってたの!も~~離せ~~~!」
海燕「何だよそれ!一人だけずりーなぁ……よしっ罰として、チューしてやる~~!」
「へっ?!ーーわっ、きゃあっ!」