第1章 繋がる糸
朽木家の庭に入ると夜一さんは木の影に隠れるよう私に言った。
言われた通り隠れていると、家の中から銀嶽とともに、黒髪で端正な顔立ちをした少年が出てきた。
うわぁ…綺麗な子!
白哉の第一印象はこれだった。
夜一「あやつじゃ…あやつが次期当主、朽木白哉じゃ。お主とは同じ年頃じゃろ?」
「確かそうだったはずだけど…あんな綺麗な子だったんだぁ」
夜一「さて、ひとつ、からかってやるかの♪」
「ーーえ?」
そう言い夜一は瞬歩で白哉に近づくと彼の髪紐を取った。
急に髪紐がほどけ、驚く白哉。
夜一「朽木白哉っ、取られたりっ!!…まだまだじゃのう?白哉坊?」
かっかっ愉快そうに笑う夜一とは裏腹に白哉はうつむき震えていた。
夜一「どうしたー?あまりの力の差に手も足も出ぬか?」
白哉「ーー断じてそんなことはない。よかろう…私の瞬歩、見せてやろう!」
怒り心頭の白哉はそう言い姿を消す。
夜一「かっかっかー!瞬神夜一、お主にはまだまだ負けんぞ!」
続いて夜一も姿を消した。
二人とも瞬歩のまま追いかけ回っているが、夜一の方が明らかに優勢に見える。
いいなぁ…私も混ざりたいなぁ
羨ましげにみていると銀嶽が声をかけてきた。
銀嶽「そこにおるのだろう?… 青蘭?」
「…やっぱり、バレちゃってた?」
観念して私は姿を見せる。
銀嶽は優しく笑うと私の頭をポンポンと撫でた。
銀嶽「うまく霊圧消していたんだろうが、まだまだ甘いな。」
銀嶽の言葉に私は頬を膨らまし、拗ねてみせる。
私の姿を見て銀嶽は困ったように笑った。
「結構練習したんだけどなぁ~じじ様には敵わないわ。」
ニコッと笑顔を向けると銀嶽は目を細めた。
銀嶽「いや、そこいらの死神より、よっぽと巧くできておったぞ?」
銀嶽の言葉に私は目を輝かせた。
「本当!?修行頑張ってるから、じじ様にそう言ってもらえると嬉しい♪」
私が銀嶽に抱きつくと銀嶽は優しく頭を撫でてくれる。
気持ちよさに思わず目を閉じる。
銀嶽「お主は幼き頃から 夜一殿が手塩にかけて修行をつけてるからの。それに青蘭…お主の霊圧の高さは普通のそれとは違う。」
「何がちがーー?」