第1章 繋がる糸
「…やっとあなたを呼び出せたわ?」
私はそっと華龍に囁く。
瞬間、刀身に刻まれた青龍の目が青く光ったように感じられた。
(――あなたも喜んでくれているのね…)
夜一「そうじゃ、青蘭よ。折角始解出来たんじゃし、今日はそのまま剣術の稽古とするかの。なぁ、喜助。」
名前を呼ばれ浦原はハッとした。
浦原「…そ、そうっスね!是非そうしましょ♪じゃあ、早速っスけど、アタシが相手になりますねっ?行きますよ?」
「はいっ宜しくお願いしますっ!」
――その後、私は日が暮れるまで夜一と浦原とともに修行に励んだ。
華龍を手にしてから初めての修行は以前のものとはまるで異なっていた。
昨日までの私は”一人”で戦っていた。
しかし、今日は違う。
華龍とともに戦っている、そのことは私の中から孤独を消し去った。
浦原「ふ~今日のところはここまでっすかね!青蘭さん強すぎて、ちょっと本気出しちゃいました。てへ☆」
ふざける浦原の頭に夜一の平手が飛ぶ。
浦原「っあいてっ!!なっなんなんスか!?夜一さん!?」
浦原は少し涙目になった目で夜一をにらみつける。
その様子を夜一は大きなため息をつきながら横目で見ていた。
夜一「なぁにが”本気出しちゃいました”だ。アホゥ!!へらへらとふざけてないでお主ももっと修行せい!それに、青蘭に触りすぎじゃぞ!せっかくの美しい青蘭が穢れるじゃろうが!こんの変態めっ!」
浦原「な――!何スかそれ!!いくらなんでも変態はひどすぎっすよ!ねぇ!青蘭さ――」
そのまま浦原は私に抱きつこうとするが、夜一によって足蹴にされてしまう。
私はその様子をくすくすと笑いながら見ていた。
「仲いいんだね♪二人とも。」
私の言葉にすごい勢いで二人が振り向く。
夜一「誰がこんな変態と…!」
浦原「誰がこんな鬼畜と…!」
二人「あ……」
やはり二人は息ぴったりだ。