第1章 繋がる糸
身なりを整え、朝食を済ませた。
坂原に、急いで食べると消化に悪いですよ、と小言を言われたが、ワクワクする気持ちが抑えられない私は足早に玄関へと向かう。
「坂原っいってきます♪今日は夜一さんのところで修行してくるわ!」
坂原「くれぐれも、気をつけて行ってらしてくださいね?」
「はーい♪」
門から飛び出していく私の姿を、坂原は少し困ったような笑顔で見つめていた。
坂原「いい歳して…全く私は何を思っているんだか……… 青蘭様………」
坂原は昨日の夕方のことを思い出す。
青蘭の手を海燕が握っているのを見たときに自分の中に生まれた身勝手な感情___
心の中がドロドロとした何かで溢れていくような……
____嫉妬心____
実ることないとわかっているが、抑えようのない青蘭様を異性として愛してしまっている自分。
坂原「……救いがたいですね……全く」
自分に吐いた言葉は風とともに空へと消えていった。
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流行る心を抑えつつ瞬歩で夜一さんの待つ、四楓院家へと急ぐ。
もちろん私の脇差しには華龍の姿。
門の前まで着くと私は一呼吸ついてから、門戸を叩いた。
使用人に連れられ、いつもの夜一さんの部屋へと案内される。
部屋に近づくと夜一さんと誰かの話し声が聞こえた。
?「夜一さ~んっ!まだなんスか?例の超絶美人な天才の子はぁ」
夜一「しつこいっ!もうすぐ来ると何度言えばわかるんじゃ!このアホウが!!」
(ーーー?知らない声……誰だろう?でも、夜一さんって呼んでたし、配下の人じゃなさそう…)
私は夜一さんの部屋へとたどり着き、顔を覗かせると、夜一さんが私に気づき、笑顔を向けた。
部屋の中には夜一さんと、死覇装を着た癖のある薄い黄金色の髪をした男性。
?「だってぇ~~今日この時を私がどれだけ楽しみにしていたか_____」
夜一「おっ!待っておったぞ♪青蘭っ!」
「こんにちはっ!夜一さん♪………初めまして!白鳥青蘭ですっ」
私が笑顔を向けると、振り返った男性は目を見開き、口を開けたまま固まっているようだった。