第1章 繋がる糸
夕食を終えると私は母の部屋へ向かい、いつものように今日の出来事の報告をする。
大病を患ってから母は床に伏せる生活を送っており、極稀に体調の良いときだけ庭に出る程度だった。
「でね!夜一さんがね、明日、誰かお友だちを紹介してくださるの♪どんな人か今から楽しみ♪」
母は私の話を微笑み、頷きながら聞いていた。
私は母とのこの時間が大好きだった。
母「そう。それは良かったわね…貴方が楽しそうで私は嬉しいわ。夜一さんも、貴女を可愛がってくれてるのね。」
母の手が私の頭を優しく撫でた。
私はその感触に浸り目を閉じる。
「うん……私、夜一さんが大好きよ。いつも優しくしてくれるもの。海燕みたいに、白哉とも仲良くなれるといいなぁ♪」
母「貴女は誰からも愛される子だから、きっと仲良くなれるわ?」
私は母に寄り添い、白く細い手を握る。
「母様…今日は此所で寝ても良い?」
母「…もちろんよ?私もそうしたいと思っていたの。」
母の隣に布団を並べ、手を繋いで眠りにつく。
母の寝息を横で感じながら、私は明日のことに想いを馳せる。
(素敵な出逢いがあったらいいな…)
目を閉じると、深く深く夢の中へと落ちていった。