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戦国四重奏 (戦国無双3)

第16章 story15“戦に私情、挟むべからず”


大阪城では三成が会議の真っ最中であった。
今日はそこに秀吉も加わっていた。

「真田が?」

「あぁそうじゃ!三成、お前が指揮をとる忍城攻めで必ず役に立つ」

「幸村…」

「念には念を、叩きのめすにはより確実な方が良い」


表情一つ変えず、官兵衛は静かに言い放った。

「まぁ、そう言うことじゃ三成!しっかり頼んだぞ!」

「…はい」

少しだけ、腑に落ちないのは秀吉が自分の力を信じていないのでは?と言う所だった。
幸村の力が無くても戦に勝つ自信はあった。

(念には念を…か)

官兵衛の言うことも確かにわかる。

(意地、なのだろうか…)

同じ女を好いている者の力を借りたくないと言う思いが多少なりともある事を自分でもわかっているのだ。

だが、戦に私情は持ち込まない。

「真田幸村と連携し、必ずや忍城を落として参ります」

三成は涼しい顔のまま秀吉と官兵衛の意見に同意した。

この日の軍事会議はこれで終いとなり、三成は自室へと戻った。

「三成、会議終わったの?お茶でも運ぼ…三成?」

話し掛けに応じない三成を不思議に思い、三成の顔を覗き込む。

「……あぁ、貰おう」

「…?わかった、すぐに用意するね」

「彩芽、部屋で少し話がしたい」

「私?うん…いいけど…」

「部屋で待っている」

そう言い残すと三成は自室へ戻っていった。

「三成があんな事言うの珍しいな…」

疑問は残るものの、彩芽はすぐにお茶の支度をして三成の部屋に向かった。

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