第15章 Story14“星空の下の決意”
「ここんとこ…大人しいと思ってたらそんな事考えてたのか」
「 彩芽、お前には俺たちが死ぬ様に見えるのか?よく…考えれば分かるだろう」
「清正…、三成…」
大きな二人の手が 彩芽の頭をそっと撫でる。
温かなその手に彩芽は目を細めて笑った。
「「……………」」
清正と三成は必ずここへ、 彩芽の元へと無事に戻ると堅く心に誓った。
絶対に 彩芽を泣かせはしない、と。
「さぁさぁ!今夜は久し振りに宴会でもしようじゃないか!最近みんな忙しくてろくに笑ってもないしね!」
「え、宴会ですか…?」
驚いて清正がねねに聞き返す。
「特に三成っ!眉間に皺が寄りっぱなしだよっ!」
「お…俺ですか……」
突然指をさされ困った様な顔をする三成を見て 彩芽はまた笑う。
大坂に来てもうすぐ二度目の春が来る。
彩芽は上田と同じくらい此処大坂の地に親しみを覚えていた。
その夜、ねねの呼び掛けにより多くの豊臣家臣が集まった。
秀吉も上機嫌で上座に座っている。
「おねね様、私も手伝いをしてきます!」
「いーの、いーの! 彩芽の仕事には楽しく笑ってる事も含まれるんだからね!」
「でも居候の身ですし…」
「まぁだそんな事言ってるの、この子は!もう 彩芽もうちの人の家族だよ?居候なんかじゃないんだから」
「おねね、様……」
「それに… 彩芽が笑ってるとやる気になる男もいる事だし、ね」
「え?」
「ううん、何でもないよっ」
ねねの言葉を聞いていると胸に引っ掛かっていた物が取れるような、そんな気持ちになった。