第12章 story12“感じるぬくもり”
「 彩芽殿っ…!もう二度と貴女を泣かせない…だから某と、こ…こ、こ…///」
「こ?」
「こ…恋な…///」
きゅるるるるるるる……!!!!
「あっ!////やだ、私…///」
“某と恋仲になって欲しい”と言う幸村の勇気ある告白は 彩芽のお腹の虫によって掻き消された。
「あははっ!やだよぅ 彩芽!まぁ、三日も眠ってたんだからお腹も減るか!」
昼御飯にしよう!とねねが提案し立ち上がる。
「 手伝います!」
「馬鹿、まだ動くんじゃねぇよ」
立ち上がろうとした 彩芽を清正が制す。
「そうそう、まだ 彩芽はゆっくりしてなさいな!ねね特製おむすび、すぐ持って来るからね!」
「すみません…おねね様」
にっこり笑って姿を消したねねを見届けた 彩芽はくるりと幸村に向き直る。
「幸村…さっきの話遮っちゃってごめんね、なぁに?」
「いや…!またの機会に話します!」
慌てる幸村に彩芽は不思議そうな顔を見せたが三成が話を切った。
「はぁ…俺達も行くぞ、 彩芽も着替えなどあるだろう」
「幸村も、行くぞ」
「は、はい…///」
清正に促され、幸村も立ち上がる。
一見、しどろもどろだった幸村を二人が助けたように感じるが実際のところは
((抜け駆けなんかさせるかよ……))
そう思っている三成と清正だった。