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戦国四重奏 (戦国無双3)

第1章 story 1 “戦場に咲く一輪の華”


丸1日半馬を走らせ、真田の一行は無事に上田城へ帰還した。


「昌幸様!お帰りなさいませ!!」

大勢の家臣や女中に迎えられ、幸村も馬を降り、抱きかかえるようにして彩芽も馬から降ろした。


「幸村様、こちらは………?」

「戦場で…縁あって上田に住まう事になりました、部屋の用意を」

「はっ!」

家臣にそう言い付けると幸村は彩芽に笑いかけた。

「長い間馬に揺られてお疲れでしょう、部屋の支度が出来るまで私の部屋で休んで下さい」

「はい…」

そう返事をして彩芽は一歩踏み出すと、くらりと足がふらついてしまった。
それを咄嗟に幸村が支える。

「彩芽殿っ…無理はしないで下さい!」

幸村は彩芽をふわりと抱きかかえた。

「幸村様!我々がお連れ致します!」
「幸村様もお疲れでは…!」

家臣達が慌てて駆け寄るが幸村はそれを断った。

「彩芽殿は私がお連れします、大丈夫ですよ」

そう言って彩芽を抱えたまま、幸村は部屋へと向かった。

「皆、良い人達ばかりです。彩芽殿もすぐに上田に慣れますよ」


部屋の前に着くと幸村はそっと彩芽を降ろした。

「…幸村、さま………あの、ありがとうございます…」

「……!!」

「私、もう……あのまま兄と共に死のうと思ってました、でも幸村様に拾われて……まだ生きたいと願ってしまった」

一度話し出した彩芽は止まることなく続けた。

「幸村様…守ると、言って下さったこと……嬉しかったです」

ふわりと初めて笑った彩芽に幸村の胸はきゅっと締め付けられた。
そして、次の瞬間には胸が高鳴る感覚。

笑った彩芽から、目が離せない。




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