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ぶいろく一家

第7章 六章「桜舞う樹の下でも、いつもどおり」


「お前らうるさいぞ。なにしてるんだよ?」
「泉が俺とセックスしたいって!」
「なんだとぉぉぉぉ!!??」
「言ってません」

みんな揃ったところで、まーくんが私に夕飯のリクエストを聞いてきた。

「モンゴル料理かな…」
「なんでそこをチョイスした?」
「うそうそ。まーくんが作ってくれるならなんでも美味しいし、なんでもいいよ」
「作るのは坂本くんだけじゃないからね!」
「そ、俺らみんなで作るのよー」
「あとケッ」

健ちゃんがなにか言いかけたところを、博君が急いで止めた。

「じゃあ、四時からは一切リビングに入るの禁止な!それまで、なにしてる?」
「ポーカーやろうぜ!」
「驚いた事に、一番そういう頭を使う遊びが苦手そうな剛がそう提案した」
「泉、声に出てる」

あ、つい。
というわけで、お金を賭けない、剛発案の「野球拳ポーカー」が始まった。
一番手の弱い人が、服を脱いでいくのだ。
やはり考える事が阿呆の極みである。
だが、メンバーは意外にも乗り気だ。

「俺、二枚」
「じゃあ私三枚」
「俺ぜんとっかえ!」

一戦目はワンペアしか出来なかった私が早々に負けてしまった。

「よっしゃぁぁぁぁ!!!!」
「声揃えるなうるさい」

ルールなので仕方なく、セーターを脱ぐ。既に上は下着に…ではなくサラシ姿になってしまった。

「俺、今日ほど泉に男装させた事を後悔した事ないよ」
「はいはい、次行くよー」

そうして、「野球拳ポーカー」は白熱した。
もうメンバーも下着姿に近い。
しかし私は考える。別にこいつらの裸なんぞ見たくないと。
そんな私はサラシと下着だけだ。
次が最後の勝負。

「よっしゃー!フラッシュ!」
「俺ストレート!」
「泉、観念しろ!フルハウスだ!」
「……はぁ。残念……」
「やっと、やっと見れるぞお前ら!!」

剛の一言にみんなの視線は私に釘付けだ。
私はそこで、ニヤリと口角を上げた。

「ロイヤルストレートフラッシュ」
「な…なにぃぃぃぃぃ!!!???」

四時になったので、服を着た六人はトボトボと私の部屋から出て行った。
私も服を着て、読書にまた戻るのだった。
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