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ぶいろく一家

第6章 五章「手作りチョコレートと言い張るなら、カカオから」


博君は私を起こすと、軽々と持ち上げ、自分の膝の上に向かい合うように座らせた。

「大丈夫だってばー」
「本当に?寂しくない?」
「…そりゃちょっとは寂しいけど…でも、みんなお仕事なんだから!私は平気」
「うん。泉ちゃんが大丈夫って言うならいいんだけど」
「ほら、早く寝た方がいいよ」
「…その前にー」

博君がそっと私を抱きしめた。

「いい匂い」
「お風呂上がりだから…」
「キスしていい?」
「…」

こく、と頷くと、博君はにこっと優しく微笑み、唇を重ねてくる。
片手は私の太腿を撫で、もう片方の手では私が逃げられないように強く頭を押してくる。
しばらくそうしてキスをしていると、やっと唇が離れた。

「ん…」
「…あー。しばらくキス出来ないのやだなー」
「知るかそんなん」
「はは。じゃ、寝よっかな」
「うん。おやすみ」

博君は軽く私の鼻の頭にキスをすると、自分の部屋へ戻って行った。
しばらくして、私も部屋への階段を上がると、まーくんの部屋のドアの隙間から手だけが出ており、手招きしている。

「お化け!?」
「違う、俺!」
「なんだ、てっきりここで死んだ人の幽霊かと思ったよー」
「え、そんないわくつきの部屋なのかここ!?」
「…チガウヨ」
「頼むから目を見てくれ。頼むから」

と、小声で漫才をしていると、まーくんが部屋に入るよう言ってきたので、お邪魔する。

「どうしたの?」
「いや、少しの間会えないから…い、一緒に寝ないか?」
「……で、本当の理由は?」
「さっきのお化けの話聞いたら一人で寝るのが怖くなりました」

THE・チキン。

というわけで、私はまーくんのベッドの中にいた。

「でも、なんで呼んだのー?」
「んん?いや、ただ少し話したかっただけなんだけど」
「なにを?」
「…なんでもない。泉」
「ん?きゃっ…」

いきなり覆いかぶさってくるまーくん。私は両手を押さえつけられる。心なしかまーくんの笑顔が妖しく見えた。

「たっぷり味わっとくな?」
「え。んっ…んぅ…ふあっ…」
「可愛い」

激しく舌を絡め合い、唾液が唇の端から垂れる。
まーくんはそれでもやめてはくれなかった。私の声がほかの部屋に聞こえないよう、口を片手で押さえて、首筋に舌を走らせる。

「ーーーっ!!」
「…止まらない」

ふるふると私が首を横に振ると、止まった。
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