第4章 三章「傍目から見たら兄弟的な。(カミセン編)」
ケーキにも様々な種類があり、見ているだけでも楽しい。
私と剛はまるで女子のようにキャッキャとはしゃぎながらスイーツを見て回りは気になったものを食べた。
しかし、確かに甘い物が好きだと言っても胃にも容量というものがある。
最後のマカロンを平らげると、私はもう一生分のスイーツを食べたような気分になった。
「結構食ったな」
「もうお腹がいっぱいで見てるのも辛いんだけど」
「同じく」
少し外の風に当たろうと、私達はスイーツフェスティバルの会場から出た。
外は暗くなり初めており、少しひんやりとした風が頬を撫でる。
「お手!」
「は?」
いきなり叫んだので犬でもいたのかと思ったが、そうではないらしい。
剛はちょっとそっぽを向くと、
「…手、繋ご」
と手を差し出した。
「…うん」
改めて、しかも剛にそう言われると気恥ずかしいものがある。
手を繋ぐと、剛が指を絡めて来た。所謂恋人繋ぎというやつだ。気がつけば私達は公園に着いていた。人の気配は全くない。
剛と私はブランコに座った。
「懐かしー。よく子供の頃競ってたよねー。どっちが高く漕げるか」
「やったやった。まぁ俺の圧勝だったけどな」
「嘘つけこら。全戦全勝は私だっつーの」
「じゃあ勝負!」
「負けないよ?」
足で地面を蹴って漕ぎ始める。この風を切るスピードが懐かしくもあり、少々のスリルもあった。
私と剛は子供のようにはしゃぎながら、子供の遊びを楽しんだ。
「なんか懐かしいよなぁ。ガキの頃思い出す」
「よく遊んでたもんねー。剛がJr.に入ってからはあまり遊ばなくなったけど」
「…寂しかった?」
「…うん、ちょっとね」
「もうあんな寂しい思いさせねぇから」
「それを望むばかりだよ。でも今はみんながいるから凄く毎日が楽しいよ」
すると、剛がブランコから飛び降り、私のブランコの鎖を掴んで止めた。
何事か、と見上げると、剛は真剣な表情で私を見下ろしている。剛の真面目な顔はどこか思い詰めていて、余裕があまりないように感じられた。
私が剛、と言いかけた時、剛が唇を重ねてきた。
「ん…」
「俺は昔からお前が好きなんだよ。あいつらよりずっと前から」
「剛……」
「だから、遠慮しねぇから」
そういうと、剛が乱暴に頭を掴んでくる。