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ぶいろく一家

第4章 三章「傍目から見たら兄弟的な。(カミセン編)」


准君の運転は安心出来た。
そうして、私達は様々なアスレチックがある大きな公園にたどり着いた。
天気は良好。運動日和だなぁ。

「あ、あれ面白そうー」
「俺もあれ見てたわ。ほなやってみよか」

網を登り、高い所から滑車に乗って降りるというものだ。私は早速網に手と足をかけた。

「大丈夫か?支えよか?」
「ありがとー。でもこんなん余裕っすよー」

私は網を軽々と登った。下にいる准君が随分遠く見える。私は准君にも早く来るように声を張った。
さすが鍛えているだけあって、私よりも早く同じ場所に登って来た。

「泉すごいやん!めっちゃ早かったで!猿みたいやったわ!」
「突き落としていい?」
「えっと、猿…はあかんな…えと、ね、猫みたいやったで!」
「え、あ、ごめん聞いてなかった」
「なんで聞いてないねん!!!!話続いてたやろ!!!」

私は滑車に手をかけた。一応腰とロープが繋がっているので安心だ。
准君が私の肩に手を置いたので、振り返ると真面目な顔をしている。

「アーアアー!!は禁止な」
「うっそ!!言う気満々だったのに!!」

畜生。
とにかく、私は台を蹴った。滑車は段々と速さを増す。楽しい。くそっ、アーアアーって言いたいっ…!!

「じゅーんくーん!」

手をパタパタと振ると、准君が頷くのが見えた。そして、彼も滑車で滑って来た。

「アーアアー!!」
「おおおおおい!!!お前はいいのか!?なぁ!おい!ずるい!」
「…ふっ」
「勝ち誇った笑みを浮かべるな」

パチンと頭を叩くと、准君は珍しく子供っぽい笑みを見せた。
次は、段々と高くなっていくアスレチックだ。
スタート地点から、私も准君もひょいひょい高さを上げていく。

「泉ってほんま運動神経ええんやね。女の子にしては珍しい」
「ちょ、女の子って大きな声で言っちゃだめでしょ!」
「あ、せやった!んー。やっぱり泉も男っぽい話し方してーやー」
「ホモなの?」
「……」
「否定して!?」
「ちゃうに決まっとるやろ」

どういうわけか准君のご要望に応える事になり、私はこの日男言葉で話す事になってしまった。

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