第3章 二章「傍目は男同士でお出かけです(トニセン編)」
「うん!凄くうまい!」
「よかった」
卵焼きを私もつまむ。うん、なかなかいい出来なのではないかな。
主にライオンの話をしながら、私達はランチタイムを過ごした。
「さて、次はどんな動物がいるのかなー」
「ラマがいる!」
「お、本当だ」
私が無言でラマとまーくんを見比べると、パシッと頭を叩かれる。
「比べるな」
「だって似て」
「やめろ」
結構凹んでるので、この辺にしておく。一応、ラマとかロバ界で言うとかなりイケメンだよ!とフォローを入れたが、
「俺人間界の住人なんだよねえ!」
とさらに怒られた。ちぇっ。
車での冒険は終わり、今度は触れ合いコーナーへ向かった。ライオンの赤ちゃんを抱っこできるらしい。こりゃあテンション上がるぜ!
「小さーい!可愛いーっ!」
「でも赤ちゃんでこの大きさって凄いよな」
「産むの大変そう」
指を甘噛みしてくる。じゃれてくる仕草が可愛すぎる。
「ねぇママー。私これ飼いたいー」
「だめよ。どうせ面倒見ないんだから」
「ちゃんとするからー!お散歩もするからー!」
「だーめ。七人分の食費でいっぱいいっぱいなんだから!それにその子かなり大きくなるのよ?ってやらすな!」
「ちょっと楽しそうだったよ」
「あ、うん、ちょっと」
それからしばらく、二人でライオンの赤ちゃんを構うと、ライオンはお腹を見せてすっかりくつろいでいる。
「そろそろ混んで来た、移動しようか」
「うん」
かなり名残惜しいが、赤ちゃんを置いて、私達は次のスペースに移動した。
「将来はライオンの赤ちゃんを産もう…」
「色々な意味でNGだな」
「ちぇっちぇっちぇっ」
サファリパークを堪能すると、私達は帰るためにまた車に乗り込んでいた。
すると、ポツリ、と水が落ちてきた。それはあっという間に大雨へと変わったのだった。
「急だなぁ。視界が悪すぎる」
「あ、ほらっ、あそこに駐車スペースがあるよ!」
「少し落ち着くまで待つか」
車を止め、ゲリラ豪雨が去るのを待つ。
すると、まーくんがハンドルに腕を置いて、そこに自分の顔を埋めた。そして、はーーーっと大きな溜息をつく。
「どうしたの?」
「悔しいなぁ…」
「何が?」