第3章 二章「傍目は男同士でお出かけです(トニセン編)」
私とまーくんは、車の中にいた。
特に何か盛り上がる話をするでもないが、居心地の悪くない雰囲気だ。
何故私達が二人で車に乗っているかと言うと…
「な、泉、デートに行くとしたらどこに行きたい?」
まーくんがそう尋ねて来たのは一昨日の事。私は思考を巡らせ、前々から行きたかったある場所を思いつく。
「サファリパークかなぁ。車で動物のとこ入れるやつ!」
「おお、いいな。んじゃ、行くか。明後日」
というわけで、あっさりデートとなったわけだ。
何故まーくんがいきなりそんな事を言い出したのかは分からないが、私がイノッチと博君とデートをしたので、自分もどこかに出掛けたいとでも思ったのだろう。
他のメンバー誘ってあげたらいいのに。
「泉は動物好きなの?」
「好き!動物はいいよ、動物は」
「何が一番好き?」
「ライオン!」
百獣の王。何かと神獣のモデルとしても使われるライオンが私の憧れでもある。
毅然としていて、凛として、かっこいい。
小さい頃は本気でライオンを飼いたいと思った程だ。
「まーくんは動物、何が好き?」
「うーん。馬、かな」
「あー。似てるもんね」
「俺が似てるのはロバだ!!っていや違う似てねぇよ!!!」
なんか一人でノリツッコミしてる。
「確かに馬もいいよねー。乗馬とかしたいなぁ」
「なんか泉だと、かっこよく乗りこなしてる光景が簡単に浮かぶ」
笑いながらまーくんが言うと、私は照れて、つられて笑う。
「いつか乗馬行こうか」
「まーくんに乗れば解決するよ!」
「だから俺はロバっ…て引っ張るな!そのネタ!」
「あはは。ごめんごめん」
まーくんに怒られながらも、サファリパークへのドライブは楽しいものとなった。
そして、遂に到着。
まずは入園料を払い、車での注意事項や説明を受けた。
「絶対に窓は開けないでくださいね」
「開けるなよ」
「それは、ダチョウ倶楽部的な…」
「フリじゃねぇよ!」
レンタルした車で、野生動物のコーナーに早速向かった。
入り口でまずお出迎えしてくれたのは、ダチョウだ。先程ダチョウ倶楽部の話をしたからだろうか。