HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第18章 スイートホリデー《縁下 力》
「このお店、美味しいって有名なんだよ。いつか来たいって思ってたんだー」
駅から少し離れた立地の、女の子が好みそうなお洒落なカフェ。
目の前で、イチゴのスイーツを頬張って、美味しいと言ってくれる。
良かった、と呟いて目の前のカフェラテに口をつける。
デートが決まった日から、俺はずっと君のことで頭が一杯だった。何処に行こう、何をしようか、スマホを睨んで考え続ける日々だった。
君が好きだと言ったこと、笑ってくれたこと、君との会話を思い出して考えては、一人で部屋で笑った。
「がこのお店、行ってみたいって言ったの思い出してさ。」
「力って私の話、真面目に聞いてくれるよね。私ばっかり話してるのに、いやな顔なんて全然しない」
「と居るだけで楽しいから。」
「ご馳走さまでした!美味しかったぁー」
パン、と両手を合わせて告げ、お皿を綺麗にテーブルに重ねて片付ける彼女。
次はショッピングモールに行こうか、そう提案すると
「私ばっかり好きなとこ行ってたら力詰まらないでしょ?スポーツ用品店行こ?力この前新しい靴?欲しいって言ってたでしょ」
譲らない君に根負けしてお店に向かい、俺のバレー用のバッシュを選ぶ。
黒と青か、黒と赤か。
「力にはこっち!こっちの赤の方が良いんじゃないかな」
「そう?じゃあ赤にしようかな」
彼女のアドバイスで、無事に買い物を終えた。