HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第17章 さよなら淡い恋心《月島 蛍》
見上げると、バレー部主将の月島先輩が涼しい顔をしていた。
「‥無理しないでよ、さん。こんな時期に貴重なマネージャーが怪我したら大変だから。」
私の抱えていた分を軽々と持ちながら私を見つめて言う。
「あの、ごめんなさい…」
「別に。責めてる訳じゃ無いんだけど…、さん危なっかしいから。ま、無理しないで頑張ってよ」
「はい、ありがとうございます。月島先輩」
「ん、じゃあ、お先に」
言い残して先輩は先に部室へ向かっていった。
「‥月島くんは今のはたぶん、ちゃんが心配だから、言ってるんだと思うよ。言い方はちょっと素直じゃないけどね、ちゃんのこと大切にしてるんだよ!」
じゃあ、私も行くね、ちゃんはちょっと休んでからおいでね。そう言って仁花先輩も部室へ小走りで向かう。
私より小さい体で、本当によく動く仁花先輩。本当に尊敬しちゃう。
「私も一年の時はなにもできなくて、皆に助けてもらってばかりだったよ。綺麗な先輩マネージャーさんにも迷惑ばっかりかけてて…。ちゃんはその頃の私より全然しっかりしてるから、すぐ慣れるよ!」
いつか私が尋ねると、そう言って謙遜してたけど、やっぱり私の憧れだ。
「‥月島先輩、か。」
独り言のようにそっと呟き、その言葉を地面に向かって放つ。