HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第16章 ✴︎今だけでも側にいたい《澤村 大地》
ドアの外には、夢にまで見て会いたかった、彼の姿があった。
彼に腕を引かれ、私の体は大地の腕の中に収まる。
「‥私の誕生日、知ってたの?」
「悪いな、主将連中に聞いて知った。で、どうしても会いたかったから、来た。」
木兎に家の場所を聞いてさ、とはにかんで言う。
「‥大地の体、冷たい。中入って」
「部活のあと、新幹線でこっち来てさ、走ってきたからな。早くに会いたくて」
「もう‥、ありがとう」
「駅で電話したんだけどさ、出なかったから。驚かせて悪かった」
着信履歴を確認すると、確かに大地からの着信を記録してあった。
お風呂に入ってて気づかなかったようだ。
「ほんとだよ、あ。今日誰もいないから、ゆっくりしてて。温かい飲み物入れてくるよ」
「‥やっぱ俺帰るよ、も部活で疲れてるだろうし」
「‥あ、そうだよね。うん、大地、明日も部活あるし…。ごめんね、我儘言っちゃって。私ずっと大地に会いたかったから、会えただけでも嬉しい!最高の誕生日プレゼントだよ」