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HQ‼︎ Language of love《短編集》R18

第16章 ✴︎今だけでも側にいたい《澤村 大地》


「嘘でしょ…」

この際、彼に誕生日を教えていなかったものは仕方ない。お家に帰って家族でお祝いしてもらえるので充分だ、そう思って帰宅したものの…。

「今日に限って二人で旅行‥、そんなぁ」

メモの残されたテーブルの上にはひと切れのケーキと、申し訳程度の私の好物。

今日はもう、なんだかなにもする気になれない。
とりあえず、今日一日で届いた部員や友達からの誕生日おめでとうメッセージに返信をする。嬉しいのに、その中に大地からのはなく、いちいち凹んでしまう。


お母さんには悪いけど、ご飯は食べずにお風呂だけ入って寝よう…


「ふぅ…お風呂入ったらちょっと落ち着いたかなぁ」

大地も忙しいんだから、連絡したら悪いよね。うん、そうだよ。

ピンポーン、と来客を知らせるチャイムなが鳴った。ひとりぼっちのリビングに響き渡る。

「宅配便かな…」

急いで途中だったドライヤーを終え、玄関に向かう。
「はい、お待たせしてすみませ‥」

「誕生日、おめでとう」

「嘘‥、大地?」
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