HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第16章 ✴︎今だけでも側にいたい《澤村 大地》
「はぁ…、赤葦。遠距離って辛いねぇ…」
部活の束の間の休憩時間、私は隣にいた赤葦に呟く。
「なんですかのぞみさん。烏野の澤村さんのことですか?」
怒涛の合同合宿から早数ヶ月。私と大地はそこで出会った。
今年から合宿に参加した烏野バレー部を率いていた大地。曲者ぞろいのチームをまとめ支える姿に恋をした。日を追うほどに思いは募り、ついに最終日に思いの丈をぶつけ、晴れて恋人になったのでした。
「寂しいのは仕方ないと思うよ?でもね!赤葦!今日は私の誕生日なの。会いたいって思っちゃうよ」
合宿以来、電話やSNSで連絡は取り合っているが、会えていない。
お互い高校生で、部活も忙しい身となればいた仕方ないこと、と覚悟はしていたけれど。
「そうなんですか。お誕生日おめでとうございますのぞみさん。それなら澤村さんも連絡くれるんじゃないですか?澤村さんも誕生日って知ってるんですよね」
「…知らない。と言うか、教えてないもん」
「それは…仕方ないですね。自分から電話でもしたらどうですか」
「うーん…」
そこで休憩は終了し、会話も途切れた