HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第13章 ほっとけない症候群《山口 忠》
「…ごめん、迷惑かけちゃって。」
「そんなのいいから!ちゃん怪我してるじゃん!ちょっと待ってて…」
聞けば両手の荷物で転んだ時に手を着けられなかったとの事だった。
…こうなるなら俺が荷物持てばよかったんだ。ちゃんを守れなかったのは俺の責任だ。
いいとこ魅せるなんてとんでもない。
「今日買ったのに消毒も絆創膏もあったはず…」
買い物袋をごそごそと漁り、目当てのものを見つけた。
消毒液を彼女の傷口に垂らすと彼女の顔が歪む。
「痛いね…ごめんちょっと我慢してて」
「部活の備品なのに…勝手に私が使ったら悪いよ…。また皆に迷惑かけちゃうよ」
俺は処置を終えて荷物を纏める。
「…ちゃんはチームの一員だよ。いつも俺たちを支えてくれてる。だから、ちゃんが困ってたら助けるのは当たり前だと思う。それに、後で報告すれば問題ないでしょ?」
俺は頼りないかもだけど、と付け加えて。