HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第13章 ほっとけない症候群《山口 忠》
私達は近くで一番大きい駅前の総合ショッピングモールに向かった。
テーピング、救急用具、ドリンクの粉、などを大量に購入し、気づけば2人とも両手に買い物袋を抱えた状態だった。
「ちゃん大丈夫?疲れたでしょ?」
気遣っていたつもりが、俺の歩幅が早くて少し俺の後ろを歩いていた彼女。
「ううん、山口くんこそ一杯荷物持ってもらって大変でしょ?」
大丈夫、と告げた。
もう夕方の時間帯で人が増えてきた駅前。
そろそろ学校に戻ろうと思い、ちゃんに声をかけようとする。
「ちゃん、そろそろ帰…えっ」
振り向くと彼女の姿はなく、駅前の帰宅途中の人混みがあるだけだった。
「ちゃん‼︎」
人混みに逆走して来た道を辿りながら彼女の名前を呼ぶ。
「…ちゃん!?大丈夫?…ごめん、俺がよく周り見てなかったから…」
「…山口くん。」
彼女は来た道の端でうずくまっていた。
見ると、転んだようで膝や手に幾つか怪我をしている。