HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第12章 俺だけの《二口 堅治》
「…テーピング上手いな、バレー部のマネに勧誘したい位だ」
真剣な面持ちで俺の手を見つめて処置を進めるの姿を見つめると、普段授業中に見る横顔とは違って見える。
…を見てると、なんだか、愛おしい気持ちになる。
「そうかなぁ、私ね看護師になりたいんだ。だから保健の先生にお願いして放課後とかもこうしてお手伝いさせて貰ってるの」
一瞬、俺を見るとにこっと笑う。
「…はすげぇなぁ。俺なんかほんと駄目。主将の癖に怪我してさ、迷惑かけて。今年こそ全国行くぞって言いながら全然見えてこないんだよな…」
駄目だ、の前だと自然と弱音が出てくる…。
ふわっ、と何かが体に重なる感覚が訪れ、が俺を抱きしめていると分かった。
「…二口くんは凄く頑張ってると思うよ。絶対チームメイトも二口くんを尊敬してるよ、私が保証する」
…は顔を俺の肩に埋める。
刹那、ふわりとの優しい香りがした。