HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第12章 俺だけの《二口 堅治》
げ、備品の救急箱を開けると丁度テーピングを切らしてるじゃねえか。
…しゃあねぇ、保健室まで行くか。
「すいませーん、先生いますかー?」
「先生はいま居ないです、って二口…くん、か」
「お、…じゃんか」
保健室にはクラスメイトで工業高校に数少ない女子生徒、俺の隣の席のがいた。
「そういえばお前保健委員だって言ったっけな」
「そうだよ、二口くん。どうしたの、何処か怪我?」
はジャージ姿の俺を見た。
「おぉ、部活でチョットやっちゃってさ」
俺は腕を捲って今では赤く腫れ上がった手首を出す。
「え!大変!見せてみて!」
座っていた椅子を立って俺に向かって早足で歩いてくると、優しく手首を握った。
「…あぁ、捻挫かなぁ。二口くん、湿布貼ってテーピングするね」
「おお、さんきゅ」
2人で椅子に座り、向かい合わせになる。
は薬品棚から出してきた湿布とテーピングで器用に俺の手を処置する。