HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第6章 40センチ ≪月島 蛍≫
半日近く遊園地で過ごした私達は、最後に観覧車に乗ることに。
「忠くんたち、二人で乗せてあげようよ」
「がいいなら、僕は良いけど」
せっかくの初デートなんだから、最後くらい二人きりにしてあげたい。
いってらっしゃいませー、と係員の声と同時に観覧車のドアが閉まる。
向かい合わせに座る蛍くんと私の間に静寂が訪れる。
「お疲れ、山口も最後くらい上手くやるでしょ」
「ううん、楽しかったよ」
「悪かったね、僕なんかと恋人のフリさせて」
‥そんなことは絶対に無いのに。だって私は蛍くんの事が。
「好きなのに」
「え?」
あれ!?私今、好き‥って、言った??
「ごめん!忘れて!言い違いというか、その」
「忘れない」
次の瞬間、キスをした。
向かいに座っていた彼が席を立ち、ぐらっと機体が揺れる感覚と共に…。
「小学校の時から、が好き。もう我慢しない」
再び唇が重なる。
40センチ以上の身長差の私達。蛍くんが腰を曲げて私も首を上向いた状態でのキス。
「‥蛍くん、背中、痛くない?」