HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第6章 40センチ ≪月島 蛍≫
あの日から毎日デートに着ていく服を考えていたのに、当日の朝、やっぱり此じゃない!とあたふたした挙げ句、私は待ち合わせにギリギリの、時刻に到着してしまった。
「蛍くん、忠くん!ごめんなさい…」
「ちゃん、大丈夫だよ」
忠くんも彼女さんも優しくしてくれた。彼女さんは、私達とは違う高校に通っている同級生だと紹介してくれた。
「蛍くんも、ごめんね。走ってきちゃったよ」
シンプルなロゴのTシャツにカーディガンとパンツ姿の蛍くん。私服姿を見るのは高校に入ってから初めてかも。
「髪、乱れてる」
「あ、ごめ…」
すっ、と上から伸びてきた彼の手が私の髪を手櫛で梳かすように撫でた。
「の頭、丁度良い位置にあるから触りやすいね」
駄目だ。ドキドキするな、これは蛍くんの演技なんだよ!自然に!蛍くんの彼女になりきらなくちゃ。
‥そうは言っても顔が次第に暑くなるのが自分でも判る。
「ちょっと、付き合ってるんだから此くらいで慌てないでよ、」
良かった。どうやら蛍くんは緊張してると思ってくれたみたい。
もし私の気持ちがバレてしまったら。彼の幼馴染みですら居られくなるのは、絶対に避けたい。