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HQ‼︎ Language of love《短編集》R18

第35章 君の近くに居れるなら。《西谷 夕》


「うーん、なぁ。だったら何が欲しいんだ?」

いくつか候補は絞れたものの、決定打に欠けて選びきれない様子の夕は私に尋ねた。

「‥これ、かな。」
イニシャルや各種ピースを組み合わせられるキーホルダー。夕がセレクトしたのはイニシャルとバレーボールのピース。

「自分のためだけに選んでくれたものって感じがするし、喜ぶんじゃないかな。あくまで私の意見だけれど。」

願わくば、私に向けて選んでくれたものなら良かった。

「そうだな!じゃあこれにするな!会計して包んで貰うから、は外のベンチ座って待ってろよ」
元気一杯の笑顔でレジへと向かう夕を見送って、ベンチに腰を下ろした。

目の前を通りすぎるカップルが仲良さげに歩いて行く姿を自然と追ってしまう。
こんなときでも私も夕と、そういう思いが頭に浮かぶ。

「、待たせたな!」

「大丈夫、買えた?」
「おうよ、バッチリだぜ」

足早に戻ってきた彼の手にはしっかりと袋が携えられていた。
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