HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第35章 君の近くに居れるなら。《西谷 夕》
「おす、おはよう。私服、珍しいけど似合ってるな!」
「‥ありがとう、行こっか?」
朝イチで我が家に迎えに来てくれた夕。
私の事を見ていないと分かってながらも随分と悩んで選んだ洋服を、スマートに誉めてくれた。
“先輩にもくらい上手く話せたらいいのになぁ!”そうかつて夕は私に言ったよね。
何でも気兼ねなく話せる、大切な友達のポジションが私だってことがやっぱり嬉しくなっちゃう。
「女の子はアクセじゃない?でもマネージャーさんなら部活しながらでも使えるものかな?」
「そうだなぁ、俺はそれ系に疎いからな」
二人で訪れたのは街のちょっとお洒落な雑貨屋さん。女の子同士やカップルが沢山いるようなお店。
目の前の品を食い入るように見つめて手にとっては戻す夕。
その視線の先にいるのは、きっと素敵な人なんだね‥。
‥いけない、私も真剣に選ばなくちゃ。
いかにも彼女へのプレゼント、という品からちょっとした贈り物まで隅々と見る。
‥顔も知らない、彼の想い人を想像して。