HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第5章 春に焦がれて《澤村 大地》
「そうかぁー?俺はには特別優しいと思うけど?彼女だしな」
「ば、そう言う事をさらっと言うのが‥。」
「事実だろ」
他愛のない話をして外に出ると、宮城の冬はやはり厳しい。寒さが体温を一気に奪ってゆく。でも、雪が月の光を反射して思いのほか外は明るい。
「の方こそ、毎日勉強お疲れ。何もしてやれないけど、ごめんな」
不意に彼がそんな事を言うから。
私は言わなくてもいい事をべらべらと喋ってしまったのかもしれない。
試験までもう一ヶ月もないのに模試の判定が良くないこと。
頑張ってるのに結果に繋がらない悔しさとやるせなさ。
それでも、大地くんと同じ大学に通いたい気持ち‥
「当たり前かもだけどね、クリスマスもお正月も、大地くんと過ごせなくて、会えなくて、なんて言うか、焦ってばっかりで」
こんな弱音ばかりの私の話に、大地くんはそうだな、辛いな、って寄り添ってくれる。
「ごめんね、弱音ばっかりで」
「全然。俺でよければいつでも聞く。
‥俺も同じだし。と大学通いたい。本当はもっとに会いたいし、連絡しようと思ったんだけどさ、頑張ってる邪魔したくなくて我慢してた。」